川上ゆう様の顔面騎乗天国

本作は、男たちをひとつの「道具」として扱う倒錯的な構図が軸に据えられ、むき出しの奉仕と支配の世界を描き出している。舞台は特定されていないが、「女王様のための椅子」「便器」という徹底してモノ扱いされる比喩表現が繰り返され、従属する者と圧倒的な立場に立つ女性との関係性が色濃く浮かび上がる。観る者は冒頭から強制的に上下関係へ引き込まれ、性的な緊張感と背徳感がじわじわと充満していくのが特徴だ。全体を貫くのは、顔面騎乗を中心とした「女王様ワールド」への没入感である。

女王様として登場する川上ゆうは、小柄で上品な雰囲気を持ちながら、視線や仕草ひとつで相手を従わせる独特の存在感を放つ。口コミでも「激しいプレイはないのに女王様の雰囲気が際立つ」と評価されており、ソフトな所作の中に鋭い支配性が垣間見える。その衣装や姿勢は過度な装飾よりも気品と威圧感を重視し、素肌の白さや滑らかさが強調されることで、観る側の眼差しは自然と身体の細部に引き寄せられる。視聴者からは「おみ足に奉仕するシーン」が強調され、足フェチ要素もしっかりと盛り込まれていることが伝わってくる。

プレイの核心は、男性視点での受動的な体験に集約される。レビューでも繰り返し取り上げられたように、窒息寸前まで迫る顔騎、舌を強制的に使わされるクンニ奉仕、そしてブーツを脱がされ蒸れた足への接吻といった行為が淡々と、しかし容赦なく展開していく。カメラはアップを多用し、臀部に押し潰される表情や、声を発することもできない息遣いの乱れを余さず映し出す。羞恥と支配、そして無抵抗に味わわされる高揚感が交錯し、視聴者は奴隷の心理に同化していく。川上ゆうの緩急ある表情や声色がシーン全体にリアリティを与え、ソフトながらも「ねちっこいエロさ」を帯びた進行が絶妙に効いている。

本作を手掛けたアブノーマルカンパニーズは、M男系フェチを多角的に突き詰めるレーベルとして知られ、過激よりも緊張感と支配感を描き分ける手腕に定評がある。顔面騎乗・足舐め・強制奉仕といった王道ジャンルに、カメラワークの緊密さを加えることで、観客が「その場に居合わせる」錯覚を呼び起こしている点は特筆すべきだ。また視聴者の評価にあるように、嫌悪感を呼ばずに従属の美学を描く演出はこのシリーズならでは。支配構図を徹底してフェティッシュに組み上げた仕上がりは、M男ファンに確かな満足感をもたらす一作といえる。